世界最大級のバケーションレンタルサイトのホームアウェイ、一般社団法人全国古民家再生協会、楽天LIFULL STAY株式会社は、古民家をバケーションレンタルとして活用し、国内外の旅行客に向けて、古民家の認知・価値拡大と地域の観光活性化を加速させることを目的とした業務提携について、合意した。
古民家をバケーションレンタルのための物件として活用
3者は提携により、古民家をバケーションレンタルのための物件として活用することで、国内外の旅行客に向けて古民家や地域の魅力を発信し、長期滞在してもらうための取り組みを強化する。
提携の一環として、全国古民家再生協会では古民家を宿泊施設として利用する場合の基準となる「古民家宿泊鑑定」を設ける。
鑑定制度は、20項目からなり、全国古民家再生協会が認定する古民家鑑定士がそれぞれの古民家を鑑定することで、安心・安全な物件開発を担保する。
鑑定済みの古民家には「古民家宿泊鑑定済ロゴ」が発行され、そのロゴは対象物件にステッカーとして貼られるため、訪問者や観光客に認知されやすくなるとともに、ホームアウェイのサイト上でも「鑑定済古民家物件」として紹介される。
ホームアウェイは、世界190カ国、月間4,000万人のサイトに訪問する旅行者に対し、鑑定済みの物件をはじめとした古民家および各地域の魅力を訴求し、様々なマーケティング活動を通じて長期滞在を促す。
楽天LIFULL STAY株式会社は、全国各地で古民家物件の開発支援と運用を担っていくという。
「古民家オーナーズクラブ」を設立
この提携を受け、全国古民家再生協会は、より多くの方々に古民家の所有・利用をより身近なものに感じてもらうべく、「古民家オーナーズクラブ」を設立。
「古民家オーナーズクラブ」では、一軒の古民家を複数名で共同所有することでその費用負担を軽減し、古民家オーナーになる敷居を下げることができる。
また、所属するオーナーは、古民家を共同所有するだけでなく、オーナーズクラブ内の他の古民家にも宿泊することができる。
全国古民家再生協会の調査によると全国には約128万戸の古民家が存在しているという。全国古民家再生協会では、その中でバケーションレンタル物件として再生可能な物件が半分以上となる約64万件以上あると試算している。
しかし、多くの場合、古民家を宿泊施設として再活用するためにはリノベーションが必要になるという。
全国古民家再生協会は、このたびの「古民家オーナーズクラブ」を通じて、古民家の所有者になるための敷居を下げることで、宿泊可能な古民家数を増やし、より多くの方が古民家での宿泊を楽しめるようになることを目指す。
家族・グループ層の約90%以上が古民家宿泊に興味
ホームアウェイが世界7カ国の約1,000人に実施した調査結果では、ホームアウェイのメインユーザーである家族・グループ層の約90%以上が、古民家宿泊に興味を持っていることがわかった。
訪日外国人は、日本の文化・歴史について関心をもっており、日本人の暮らしを体験することを望む傾向が見られる。家族・グループでの長期滞在を好む訪日外国人にとって、古民家滞在は魅力的な旅行目的になることが期待できるとしている。(慶尾六郎)